下腹部痛は様々な病気が原因となり、頻度的に多いのは消化管の病気で、便秘や下痢などに伴う腸管蠕動運動が原因の下腹部痛が実際にはよく見られます。感染性腸炎などの腸管感染症による下痢や、過敏性腸症候群で認める下痢や便秘、時に潰瘍性大腸炎やクローン病などの免疫機能が関与した腸管炎症による下痢や血便でも下腹部痛を認めます。また、腸管の蠕動運動低下などにより起こる便秘症でも、下腹部痛は起こります。さらに腸閉塞や、腸管の腫瘍性病変などによる器質的な排便障害も原因になります。一方、虫垂炎や大腸憩室炎では、痛みの場所が限局している限局性腹膜炎による体性痛を認めることが多いです。また、女性では子宮や卵巣などの婦人科疾患が下腹部痛の原因になることもあり、女性の下腹部痛では婦人科疾患にも注意が必要です。さらに尿管結石や膀胱炎、尿閉などの泌尿器疾患、動脈瘤の解離や破裂、帯状疱疹など、消化管以外の原因で下腹部痛が起こることもあり、下腹部痛の診察では腹痛以外の随伴症状や病状経過などから原因を推定し、各種検査による的確な診断・治療が必要になります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)