鉄欠乏性貧血とは鉄分の不足が原因で起こる貧血で、貧血の原因として最も多いものが鉄欠乏性貧血です。血液は、赤血球や白血球、血小板の細胞成分と、血漿という液体成分からできていて、全身に酸素を運搬する働きを担っている赤血球は、赤血球中のヘモグロビンが酸素と結合することでその役割を果たします。ヘモグロピンの生成には鉄が必要であるため、鉄分が不足するとヘモグロピン生成が阻害され貧血となり、倦怠感や息切れ、動悸やめまいなどの症状を生じます。鉄不足の原因には、鉄の摂取不足や吸収力低下などもありますが、最多なのは出血による鉄分の喪失です。女性であれば、月経による出血のため鉄欠乏性貧血になることが最も頻繁に見られます。出血している自覚がなく慢性的に貧血が進行している場合には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃癌や大腸癌などの消化管の病気のために、便の中に出血をして貧血が進行している事があり注意が必要です。そのため男性の貧血や女性で高度貧血を認める場合には、胃や大腸の内視鏡で消化管の精密検査を行い、貧血の原因検索をすることが必要になります。(さらに詳しい説明を希望されるかたは、「続きを読む」を押してください。)