トピックス

黒色便(便が黒い)
トピックス · 28日 8月 2024
黒色便とは真っ黒の色の便で、少し濃い褐色というような濃い色の便というよりはアスファルトの様に真っ黒な便で、海苔の佃煮や墨の様に真っ黒な便を指します。このような便が出た時には消化管出血の可能性があり注意が必要です。血液には鉄分が多く含まれており、胃や十二指腸などの上部消化管から出血すると、出血した血液の鉄成分が胃酸により酸化され黒色になります。一方で、肛門に近い大腸からの出血では赤~暗赤色の便が出ます。胃や十二指腸は血流が豊富な臓器で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などによる出血では大量出血となることもあります。吐血として血を吐く症状がでると緊急事態であることは誰でも気づくものの、血液が小腸側に流れ黒色便になると大量出血をしていても気がつかずに、知らぬ間に貧血が進行して時にショック状態になることもあります。一般的に大腸からの出血に比べて胃や十二指腸からの出血は重篤なことがあり、黒色便が出た時は医療機関への早急な受診が必要で、その原因を調べるための内視鏡検査や、場合によっては内視鏡による止血治療が必要になることもあります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

8月のレモンの木
トピックス · 18日 8月 2024
8月になり、お盆が過ぎても非常に暑い日が続いています。たなべ内科クリニックのシンボルツリーのレモンの木も、夏の強い日差しの中で、たくさんの葉を付けています。たなべ内科クリニックのレモンの木は、地中海が原産地のビアフランカという種類のレモンの木で、冬に暖かく夏に乾燥している地域が栽培に適していると言われています。日本では、比較的温暖な地域である瀬戸内の地域が栽培に適しているとのことであり、たなべ内科クリニックのレモンの木も、この8月の暑い日差しの中で葉をつけて、すくすくと成長しています。

腎盂腎炎
トピックス · 08日 8月 2024
腎盂腎炎とは、腎臓と尿管をつなぐ接続部位である腎盂に細菌感染をおこす病気です。腎臓で作られた尿は腎臓内の腎盂に集められ、腎臓と膀胱をつなぐ尿管という管を通って下腹部の膀胱に移動し、その後体外に排出されます。体外から侵入した細菌が尿の流れの向きに逆らって逆行性に腎盂まで侵入することで腎盂腎炎は起こります。腎盂腎炎を発症すると、高熱や背部痛を認め、時に嘔気や嘔吐などの消化器症状を認めることもあります。また炎症が高度になり細菌感染が広がると、血管内を流れる血液に細菌が侵入することで敗血症という状態となり、血圧低下や臓器障害など全身状態の悪化をきたすこともあります。腎盂腎炎の診断は、背部痛を伴う高熱を認め、検尿で尿路への細菌感染の有無や血液検査で炎症反応の上昇などを確認することで診断されます。腎盂腎炎は抗生剤を一定期間投与することで多くの場合改善しますが、尿管結石や尿路の腫瘍性病変などの併存により尿の排出障害を伴う場合には、専門の泌尿器科でステントの挿入などを行い閉塞を解除するドレナージ治療が必要となることもあります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

吐血(血を吐いた)
トピックス · 27日 7月 2024
吐血とは食べ物の通過する消化管からの出血で、その原因としては重篤な疾患によることもあるため注意が必要です。吐いた食べ物の中にごく少量の血液が混入している程度の軽度出血であれば緊急性がそこまで高くないことも多いものの、食物残渣が少量で吐いたもののほとんどが血液成分でコップ一杯以上の量の血液を吐くような吐血の場合には、緊急性のある出血のことも多く早急な受診が必要です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍からの出血では胃酸に血液がさらされるため暗赤色から褐色のことが多いものの、大量出血では真っ赤な新鮮血のこともあります。肝硬変の患者さんでは、胃・食道静脈瘤の破裂により、大量の新鮮血の吐血を認めることもあります。また、胃と食道の境界部に裂創ができて吐血するマロリーワイズ症候群と言われる疾患では、何度か嘔吐した後に吐物の中に血液が混じってくるという病状経過が特徴的です。吐血を認めた時には、血液検査で貧血の程度を見ることでその重症度を推測するとともに、原因精査のためにしばしば内視鏡検査が行われ、内視鏡での止血術が必要になることもあります。(さらに詳しい説明と画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

広土曜夏祭り2024
トピックス · 21日 7月 2024
呉市の広で毎年ある夏のイベント、広土曜夏祭りが7月20日(土)に広商店街でありました。コロナ感染症が流行した2020年と2021年は開催が見送られましたが、2022年より再び開催されるようになっており、普段は行きかう人もまばらなのんびりした広商店街にもたくさんの人があふれ、大変盛り上がっていました。広土曜夏祭りは、昔は広の土曜夜市と呼ばれていた広商店街で行われる夏のお祭りで、今回で50回目の開催ということです。今年の広土曜夏祭りでは、たなべ内科クリニックの駐車場に特設のメインステージがおかれ、7月20日には呉出身の歌手であるMaicaさんが司会進行をされて、ステージではダンスやバレエなどの踊りが披露されました。また蒲刈島出身の歌手の谷龍介さんの歌唱にも多くの人が集まっていました。今年の広土曜夏祭りは7月20日(土)と7月27日(土)に2日の開催となっており、来週の27日(土)にも、たなべ内科クリニックの駐車場に特設のメインステージが設置され、呉出身のアーチストでダンサーでもあるKiichiさんの司会でダンスやバンドの演奏などが行われる予定です。(詳しくは「続きを読む」を押して下さい)

超音波検査(胃③)
トピックス · 14日 7月 2024
胃潰瘍は胃内に分泌された胃酸により、胃粘膜の一部が損傷を受けて欠損した状態です。胃の壁肥厚自体はある程度エコーで評価可能ですが、胃潰瘍自体はエコーでは描出できないことも多く、胃潰瘍の診断は基本的には内視鏡検査で行います。しかし深掘れの潰瘍では、潰瘍底に貯留した潰瘍内ガスが厚く肥厚した胃壁内に白く見えることで、エコーでも胃潰瘍の存在が予想できることもあります。胃潰瘍を発症すると、その炎症が周囲に波及することにより、胃は全体的に壁肥厚を認めますが、胃潰瘍近くの炎症が高度な胃壁では一部層構造が判別しにくくなります。深掘れ潰瘍では層構造が判別困難になり黒く肥厚した胃壁内に、胃内ガス層とは段差のある潰瘍内ガスが白く見える像としてエコーで描出されることがあります。胃潰瘍で胃壁に穴が開き穿孔すると、胃液や胃内ガスが胃から腹腔内に漏れ出して腹膜炎をおこします。胃穿孔時には胃内ガスが腹腔内に流出することで腹腔内ガスを生じることがあり、腹腔内ガスを検出する能力はCT検査が最も優れていますが、時としてエコーでも描出できることもあります。(さらに詳しい説明と画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

急性膵炎
トピックス · 26日 6月 2024
膵臓は食べ物を消化するために様々な消化酵素を生成し、その消化酵素を含む膵液を十二指腸に分泌しています。正常な膵臓ではそれらの消化酵素は膵臓自身を消化しないように機能していますが、膵液の消化酵素が何らかの原因で活性化され膵臓自身や内臓が膵液により消化されてしまう病気が急性膵炎です。急性膵炎では、強い上腹部痛や背部痛、嘔吐、発熱などを認めます。炎症が腹腔内に波及すると腸閉塞や腹水貯留を認めたり、重症化すると敗血症を併発し臓器障害などを生じて命にかかわることもあります。急性膵炎の原因としては、大量飲酒によるアルコール性膵炎が最多で、胆石や膵管形成異常などにより起こることもあります。膵炎が疑われた場合、血液検査で膵酵素の上昇を確認するとともに、腹部エコーやCTなどの画像検査で急性膵炎の状態を判断します。急性膵炎では絶飲食と多量の点滴による治療が必要になるため、多くの場合入院治療が必要です。また、重症急性膵炎の場合は臓器障害を併発することもあり、人工呼吸器管理や透析治療など専門病院での集中治療が必要になることもあります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押してください。)

下痢
トピックス · 16日 6月 2024
下痢とは水分を多く含んだ軟便や水様の便がでる症状で、発症して2週間以内の急性の下痢と、4週間以上持続している慢性の下痢に分けられます。急性の下痢でもっと多いものは、ウイルスや細菌などによる感染性胃腸炎による下痢です。ウイルス性腸炎では十分な水分摂取を心がけ、お腹に優しい食事をする保存的治療で改善しますが、粘膜障害の強い一部の細菌性腸炎では抗生剤による治療が必要になることもあります。また、摂取した薬剤や食品などの影響により急性の下痢が起こることもあります。4週間以上持続する慢性の下痢のうち頻度が高いものとして、ストレスや不安などがその増悪因子となる過敏性腸症候群があげられます。血便を伴う慢性の下痢では、重篤な疾患の可能性があるために内視鏡での検査が必要になります。炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)は、体の免疫機能が関与した腸炎で、若い人にも発症することがあり、的確な診断と継続した治療が必要になります。また高齢者で便秘や下痢を繰り返す人には、大腸癌が下痢の原因になっていることがあり注意が必要です。(さらに詳しい説明と画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

超音波検査(胃②)
トピックス · 06日 6月 2024
胃アニサキスは、内視鏡でアニサキスの虫体が発見できれば確定診断となりますが、内視鏡で虫体自体を発見できなくても、病歴やエコー像や内視鏡像などから胃アニサキスと診断できることもあります。アニサキスが胃粘膜にかみつくと胃壁は粘膜下層中心の壁肥厚を示し、刺入部は発赤・びらんを認め、虫体が粘膜下に迷入したりすると、虫体に対するアレルギー反応により周囲が粘膜下腫瘍の様に盛り上がることがあります。そのため、アニサキスが寄生する頻度の高い海産物の生食後に腹部エコーで胃壁の肥厚を認めたり、内視鏡にて胃内に粘膜下腫瘍様の隆起を認める場合には、胃アニサキス症が疑われることになります。アニサキスが粘膜面にかみついた部分は、強い炎症性変化を認めることがあり、しばしば粘膜下腫瘍様の隆起の頂上に発赤面やびらんを認めることもあります。また、アニサキスによる粘膜下腫瘍様の隆起性変化が高度な場合は、エコーで白く肥厚して見える粘膜下層内に黒色に腫瘤部組織が確認できたり、高度炎症を反映して周囲に少量の腹水貯留や十二指腸の壁肥厚が確認できることもあります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

超音波検査(胃①)
トピックス · 25日 5月 2024
胃は食物が食道を通過した後に入る袋状の臓器で、胃壁は大腸などの腸管と同様に4層構造をしていますが、胃は小腸や大腸より壁が厚く、正常の胃でも粘膜層から深層に向かって層構造が確認できます。胃に炎症が起きると胃壁が肥厚し、胃壁の層構造がさらにはっきり確認できるようになります。ストレスや薬剤、過剰飲酒など様々な原因で胃粘膜に炎症をおこす急性胃粘膜病変(AGML)では、エコーで胃全体に粘膜下層中心の壁肥厚を認め、壁の層構造は比較的保たれています。アニサキスは、サバやイカなどの海産魚類に寄生する体長2~3cmの線状の寄生虫で、アニサキスが寄生する魚介類を生食すると、アニサキスが胃や腸に刺入するため激しい腹痛や悪心・嘔吐などを生じます。エコーでは胃アニサキスは層構造が保たれた粘膜下層中心の壁肥厚を示し、AGMLと同様の壁肥厚像を認めるため、エコー像だけでは両者の鑑別はできません。内視鏡で虫体を摘出できれば症状は速やかに改善することもあり、病歴などから胃アニサキスが疑われた場合には、診断と治療を兼ねた内視鏡検査がしばしば行われます。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

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