トピックス

脂質異常症(高脂血症)
トピックス · 23日 3月 2025
脂質は人体にとって、細胞膜やホルモンの原料となったり、エネルギー源として体内に貯留されるなど重要な働きを担っていますが、この脂質のうち悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪(TG)が多すぎたり、善玉コレステロール(HDL)が少なすぎる病的な状態が持続するのが脂質異常症です。悪玉コレステロール(LDL)は余分なコレステロールを血管壁に沈着させて動脈硬化を引き起こし、善玉コレステロール(HDL) は血管内に溜まったコレステロールを肝臓に戻しています。脂質異常の状態が持続すると、全身の血管が動脈硬化することで脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる病気が起こるリスクが上昇するため、それらの病気がおこる可能性を下げることが脂質異常症の治療の目的になります。治療としては肥満があれば減量を行い、適度な食事と運動を心がけるなど生活習慣の改善がまず第一ですが、体質が関与していることも多く、生活習慣を改善しても脂質異常が持続する場合には、内服薬による治療が必要になります。(さらに詳しい説明を見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

背部痛(背中の痛み)
トピックス · 13日 3月 2025
背部痛はいろいろな病気が原因でおこります。腹部の臓器のうち後腹膜臓器に起こる病気では、炎症が起こると腰背部に痛みを生じやすく、後腹膜臓器である膵臓、十二指腸、腎・尿管、下大動脈、大腸の一部などに起こる病気で背部痛を認めることがあります。そのために、膵炎や膵臓癌、十二指腸潰瘍などの消化器疾患、尿管結石や腎盂腎炎などの泌尿器疾患でしばしば背部痛を生じます。また、体動や体位により痛みが増減する背部痛では、急性腰痛や椎間板ヘルニア、椎体圧迫骨折など骨や筋肉や神経などに原因がある整形外科領域の痛みのことが多く、頻度的にも腰背部痛の原因が整形疾患のことは良くあります。それ以外にも心筋梗塞や解離性大動脈瘤のような心・血管病変や、胸膜炎や気胸などの呼吸器疾患、背部に生じた帯状疱疹でも背部痛の原因になることがあります。そのため、背部痛の診断では、痛みの場所や性状、背部痛に付随する胸痛や腹痛や発熱など他の症状の有無や、病状経過などからその原因を絞り込み、各種検査を行って適切な診断と治療を行うことが必要になります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

超音波検査(腹水②)
トピックス · 20日 2月 2025
正常でも腹腔内に少量の腹水は存在するものの、エコーで腹水が確認できる時には腹腔内の臓器に炎症が起きることで腹水が増加していることがしばしばあり、エコーで腹水の存在が確認できることが病気の発見の手掛かりになることもあります。急性肝炎は、肝炎ウイルスや自己免疫、薬剤などにより急激に高度な炎症が肝臓に起こることで発症し、炎症により肝臓の腫大を認めたり、炎症が周囲に波及すると胆嚢壁の肥厚や腹水貯留を認めることがあり、それらの所見をエコーで確認できることがあります。膵臓は食べ物の中の蛋白質を消化するための消化酵素である膵液を生成していますが、何らかの原因で膵液が活性化されることで、膵臓自身や内臓が膵液によって消化されてしまう病気が膵炎で、大量飲酒や胆石などが原因で発症し、発症すると強い上腹部痛や背部痛を認めます。急性膵炎では膵臓は腫大し、またエコーで膵臓周囲の脂肪組織が炎症により白く輝度が上昇して見えるとともに、膵臓周囲や腹腔内に腹水貯留を認めることもしばしばあり、これらの所見が病気の診断の手掛かりとなることもあります。(さらに詳しい説明と画像を見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

下腹部痛
トピックス · 02日 2月 2025
下腹部痛は様々な病気が原因となり、頻度的に多いのは消化管の病気で、便秘や下痢などに伴う腸管蠕動運動が原因の下腹部痛が実際にはよく見られます。感染性腸炎などの腸管感染症による下痢や、過敏性腸症候群で認める下痢や便秘、時に潰瘍性大腸炎やクローン病などの免疫機能が関与した腸管炎症による下痢や血便でも下腹部痛を認めます。また、腸管の蠕動運動低下などにより起こる便秘症でも、下腹部痛は起こります。さらに腸閉塞や、腸管の腫瘍性病変などによる器質的な排便障害も原因になります。一方、虫垂炎や大腸憩室炎では、痛みの場所が限局している限局性腹膜炎による体性痛を認めることが多いです。また、女性では子宮や卵巣などの婦人科疾患が下腹部痛の原因になることもあり、女性の下腹部痛では婦人科疾患にも注意が必要です。さらに尿管結石や膀胱炎、尿閉などの泌尿器疾患、動脈瘤の解離や破裂、帯状疱疹など、消化管以外の原因で下腹部痛が起こることもあり、下腹部痛の診察では腹痛以外の随伴症状や病状経過などから原因を推定し、各種検査による的確な診断・治療が必要になります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

高血圧
トピックス · 22日 1月 2025
血圧とは心臓が血液を血管に送り込む圧力で、その血圧が基準値より慢性的に高い状態が高血圧です。心臓は体中に血液を送るポンプの役割を果たしており、収縮と拡張を繰り返しています。動脈圧が心臓の収縮により最高値になった値が収縮期血圧、心臓の拡張により圧が最低になった時の圧力が拡張期血圧です。高血圧では基本的には自覚症状はなく、一日の中でも血圧は変動しており、血圧高値を認めても一時的であれば多くの場合人体に大きな影響はありません。ただし、高血圧が長期にわたり持続すると全身の血管の動脈硬化を引き起こし、脳血管障害や心疾患などの原因になります。そのため高血圧症では、無症状であるからといって放置すると将来的に命に関わってくることがあり、それらの病気の発生率を低下させるために継続した治療が必要です。高血圧の90%以上は本態性高血圧症で生活習慣病としての要素が強く、減塩や体重減少などの生活習慣の改善を行うとともに、体質的な要因もあることから、生活習慣を改善しても高値が持続する場合には、内服薬による継続的な治療が必要になります。(さらに詳しい説明が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

上腹部痛
トピックス · 11日 1月 2025
腹部の痛みは種々の原因にて発生し、胃や十二指腸、大腸など消化管の病気や、胆嚢や膵臓など消化器の病気で起こることが多いものの、尿管結石や帯状疱疹、心筋梗塞など消化器以外の病気でも上腹部痛は起こることがあります。腹痛はその痛みの性状から、内臓の動きやハリなどが内臓神経を刺激することで生じる痛みの場所が漠然とした鈍い痛みの内臓痛と、腹膜や腸間膜に分布する知覚神経が刺激されて起こる痛みの場所がはっきりした鋭い痛みの体性痛に分けられます。腹痛の診断では、上腹部の中でも、右上腹部、左上腹部、みぞおち付近、臍周囲と、痛みの出る場所に病気ごとの違いもあり、また病状経過や、痛みの性状や持続時間、腹痛に付随する症状などを知ることで、腹痛の原因がある程度推定できることもあります。実際の診療では、腹痛に関するそれらの情報から原因となる病気を推定し、そのうえで血液検査やレントゲン、エコー、CTなどの画像検査や内視鏡検査などを行うことで原因となる病気を適切に診断し、それぞれの病気に対する治療を行うことになります。(さらに詳しい説明や画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

超音波検査(腹水①)
トピックス · 21日 12月 2024
腹腔内には腹部臓器の摩擦を少なくするために、腹水という少量の液体が正常の人でも20ml~50ml程度存在しています。正常の人の腹水は少量なので、エコーでは多くの場合見えませんが、病気により腹水が増加するとエコーで観察されることがあります。仰向けに寝て行う腹部エコーでは、肝臓と右腎臓の間の空間(モリソン窩)や、脾臓の周囲、子宮背部と直腸前面の空間(ダグラス窩)は腹水が貯留しやすい場所です。腹水を生じる原因は様々ですが、肝硬変や腎不全では血液内のタンパク質の減少により血管内の浸透圧が低下し、血液中の水分が腹腔内に漏れ出る低密度の薄い漏出性腹水を生じます。一方、腹腔内の炎症や腫瘍により腹膜の透過性が亢進すると、タンパクや血液成分、腫瘍成分を多く含んだ高密度の濃い浸出性腹水を生じます。女性のダグラス窩周囲の少量腹水は、生理的な排卵周期に伴う一時的な腹水で異常でないことも多いです。肝硬変になると、血液中の蛋白質が低下して低栄養となり、また肝臓が硬化し肝臓に流入する門脈という血管の内圧が上昇して、腹腔内に漏出性の腹水を生じます。(さらに詳しい説明と画像が見たい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

嘔吐・吐き気
トピックス · 12日 12月 2024
嘔吐や吐き気の症状は、脳内の嘔吐中枢が刺激されることで起こり、非常に多くの病気で嘔吐や吐き気の症状は生じます。嘔吐や吐き気の症状は、急性胃腸炎や逆流性食道炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、腸閉塞などの胃腸疾患や、胆石症などの消化器の病気によっておこることが多いものの、脳梗塞や脳腫瘍などの頭蓋内病変により起こったり、耳鼻科領域の疾患により体のバランス機能がうまく働かずめまいと共に生じることもあります。また、重症の糖尿病や電解質異常、腎不全や肝不全などの全身状態悪化に伴って発生したり、インフルエンザやコロナ感染症では発熱に伴い吐き気を認めることもあり様々な病気がその原因となります。さらに、精神的なストレスで吐き気を認めることもあれば、飲酒や特定の薬物の副作用で吐き気が起こることもあります。嘔吐や吐気の症状の原因疾患は多岐にわたるため、嘔吐や吐き気の症状を認めた時には、下痢や便秘、腹痛やめまい、頭痛や発熱などの随伴症状の有無や病状経過、身体所見、種々の検査にて的確に原因を特定し適切な治療を選択することが重要になります。(さらに詳しい説明と画像が見たい方は、「続きを読む」を押してください。)

鉄欠乏性貧血
トピックス · 22日 11月 2024
鉄欠乏性貧血とは鉄分の不足が原因で起こる貧血で、貧血の原因として最も多いものが鉄欠乏性貧血です。血液は、赤血球や白血球、血小板の細胞成分と、血漿という液体成分からできていて、全身に酸素を運搬する働きを担っている赤血球は、赤血球中のヘモグロビンが酸素と結合することでその役割を果たします。ヘモグロピンの生成には鉄が必要であるため、鉄分が不足するとヘモグロピン生成が阻害され貧血となり、倦怠感や息切れ、動悸やめまいなどの症状を生じます。鉄不足の原因には、鉄の摂取不足や吸収力低下などもありますが、最多なのは出血による鉄分の喪失です。女性であれば、月経による出血のため鉄欠乏性貧血になることが最も頻繁に見られます。出血している自覚がなく慢性的に貧血が進行している場合には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃癌や大腸癌などの消化管の病気のために、便の中に出血をして貧血が進行している事があり注意が必要です。そのため男性の貧血や女性で高度貧血を認める場合には、胃や大腸の内視鏡で消化管の精密検査を行い、貧血の原因検索をすることが必要になります。(さらに詳しい説明を希望されるかたは、「続きを読む」を押してください。)

令和6年インフルエンザワクチン予防接種実施中
トピックス · 17日 11月 2024
例年インフルエンザは11月末から12月になってから流行開始することが多いものの、今年はすでに全国的にインフルエンザの患者が増加し、厚生労働省はインフルエンザが全国的な流行期に入ったと11月8日に発表しました。インフルエンザが流行期に入る時期は、一年間を通じて流行した2023年を除くと、今年は2009年に次いで2番目に早く、今年は早期に流行感染が広まる可能性があります。インフルエンザの感染予防にワクチン接種は有効であり、たなべ内科クリニックでは現在ワクチン接種を実施中です。呉市に住民票がある呉市在住の方のうち65歳以上の高齢者は、呉市から補助があるために1000円でインフルエンザワクチンの予防接種が可能で、それ以外の方は3500円となります。インフルエンザワクチンの予防接種をご希望の方は、クリニックの診療時間内に電話での予約(0823‐71‐1001)をしてください。(さらに詳しい説明をご覧になりたい方は、「続きを読む」を押して下さい。)

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