大腸内視鏡検査

小児にも使用可能な軟性内視鏡を使い鎮静薬を使えば眠ってできる、体に負担が少なく丁寧で質の高い検査を目指しています。

 大腸内視鏡検査は、内視鏡の挿入時の難しさに個人差があり、おなかの手術をされた経験がある方や、腸の長い方は内視鏡を挿入する時に、確かに苦痛を感じられる患者さんがおられることは事実です。しかし、熟練した医師が丁寧な検査を心掛け、また痛み止めや鎮静剤を使い、患者さんの緊張や負担を軽減することで、かなり苦痛を軽くできることも事実です。

 当院では様々な工夫を行い、十分な経験を有した消化器内視鏡専門医が丁寧な検査を行うことで、患者さんが大腸内視鏡検査時に感じる不快感をそこまで感じない方法で検査を行っています。使用する大腸内視鏡は、小児にも使用可能な体に負担の少ない柔らかい内視鏡であるオリンパス社のPCF‐H290ZIの内視鏡を使用しています。また、鎮静剤を使用すれば、薬の効き方には患者さんにより多少個人差があるものの、多くの患者さんはウトウトと半分眠った状態で、気づかぬうちに検査が終了しています。

 そして、内視鏡検査の第一の目的は、早く検査が終わることではなく、的確に病変の有無を調べ、治療が必要な大腸ポリープなどの病変があれば、きっちり治療を行うことです。そのためには、丁寧な内視鏡での観察をすることで、ヒダの裏に隠れている病変も正確に見つける必要があります。当クリニックのPCF-H290ZIは、ハイビジョン対応の高画質の内視鏡で、拡大倍率110倍の光学ズーム機能も備えており、わずかな大腸粘膜の変化も拡大観察することで、質の高い検査を行うことができます。大腸内視鏡検査でしんどかった経験がある方や、また不安で検査を受けるのがおっくうになっている患者さんにこそ、当院での体に負担が少なく、かつ丁寧で高画質の検査を受けていただきたいと思っています。

検査の目的

  • 便秘や下痢、腹部膨満や、腹痛、血便、残便感などの症状がある時には、大腸に原因となる病気がある可能性があります。
  • 内視鏡検査を行うことで、わかる病気として、大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸憩室症、虚血性腸炎、出血性直腸潰瘍などがあげられます。
  • その中でも大腸がんは日本人のがん死亡原因の男性3位、女性は1位と、近年増加傾向で、早期発見と早期治療が必要です。
  • 大腸がんはそのほとんどが、大腸腺腫という良性腫瘍(いわゆる大腸ポリープ)から発生することが分かっており、癌が発生する前の大腸腺腫の時期に見つけ出し、内視鏡治療を行うことで、大腸がんの発生を予防することができます。
  • 大腸がんは若年の方にも時に発生しますが、40歳以上の方は若い方より明らかに発生率が上がることが知られています。
  • 大腸腺腫から大腸がんが発生した場合にも、早期であれば内視鏡による治療、または外科的手術により完治が可能です。
  • 大腸内視鏡検査は、これらの病気の早期発見・早期治療を行う上で、非常に有効な検査方法です。

★大腸内視鏡でわかる病気については「いろいろな病気について」のページを参照してください。

検査の方法

  • 大腸内視鏡検査をする前には、前処置薬(大腸内の便をきれいに排便するための水薬)をのんで、大腸内の便をきれいに排便する必要があります。
  • 検査前日に下剤を内服し、検査当日は朝食はとらず、自宅かあるいは当院にて前処置薬の水薬を2~3時間程度かけてゆっくり飲んで排便をします。(たなべ内科クリニックでは、前処置薬を飲む専用のトイレ付個室(マイトイレ)を2部屋用意しています。)
  • 検査は大腸がきれいになった後の午後に行います。検査は鎮静薬を使用して、ほぼ眠った状態で行うことも可能です。
  • 検査はポリープがなければ、約20分程度で終了します。ポリープがあり切除を行う場合には、それよりも多少時間がかかります。
  • ポリープがあった場合、切除した方がよいポリープであれば、その場で切除できます。ただし、ポリープの大きさや場所、数などにより、入院して切除した方が安全な場合、入院施設のある病院に紹介のうえ後日切除することとなります。
  • 検査終了後、鎮静薬を使用された患者さんは、麻酔が覚めるまでベッドに横になって、ゆっくり休んでいただきます。
  • 鎮静薬をご希望の方は、検査後当日はご自身で車の運転をすることはできません。検査当日は、必ず公共交通機関でこられるか、車での来院を希望される方は、他の人に運転あるいは送迎していただくようお願いします。